ちょっと前から気になっていたのが、晴海通り「アニヴェルセル豊洲」前にあるバス停の看板。
ここに“「IHI前」停留所 仮異動のお知らせ”と書かれている看板が置かれています。
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看板の続きをよく読んでみると、「IHI地下道撤去工事の為」となっているんですね。
IHIの地下道!?
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でも、この場所はアニヴェルセル豊洲の目の前ですし、現在のIHIの本社があるIHI豊洲ビルとはちょっと離れています。
もちろん豊洲駅の地下通路もここまでは伸びていません。
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どういうことなんだろうと不思議に思っていたのは、きっと筆者だけではなかったのではないでしょうか。
豊洲2丁目と3丁目を結ぶ地下道がある!
実は、晴海通りの地下にはちょうどアニヴェルセル豊洲と豊洲キュービックガーデンを結ぶように謎の地下空間があるのです。
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先日、入手した竹中工務店の工事資料からこの謎が解けました。
筆者もまったく知らなかったのですが、これは一般人用の地下通路ではないためもちろん筆者も通ったことがありません。
地下道は造船所の効率化を図るものだった!
一体この地下道は何なのか。
ご存知の方も多いように、昔、豊洲のこのあたりでは「石川島播磨重工業(現IHI)」が造船業を展開していました。
しかし、晴海通りを挟む形で西側に造船所(第2工場)、東側には事業所や第3工場があったんです。従業員が両方を行き来する際に、いちいち晴海通りを横断するのは効率が悪いものでした。
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そこで、わざわざ道路を渡らずとも造船所と事業所をスムーズに移動できるようこの地下道が作られたんだとか。
その後、造船所が操業停止して豊洲2・3丁目の再開発が進められた2000年代に入ってからは地下通路が使われることはなくなりましたが、撤去せずそのままになっていたそうです。
どうして今まで撤去されなかったのかはわかりませんが、いや〜面白いです!
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今思えば、豊洲駅や周辺ビル、マンションをつなぐなど、この地下道の活用を含めながら開発できなかったのかなぁ〜と少し勿体ない気がしましたが、こんな地下道がまさか豊洲に残されていたなんて。
もしかしたら、豊洲にはまだまださくさんの産業遺構が残されているかもしれないとワクワクします!(*^^*)
なお、撤去工事の開始は2020年11月で、終わるのは2024年3月末。およそ3年半にわたる比較的長めの工事になるとあって、周辺地域、特にパークシティ豊洲の住民さんには影響があるかもしれません。
また、閉館が決まっている「アニヴェルセル豊洲」の撤去と再開発に向けた工事は、2021年4月を予定していることもこの資料から判明しました。
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