交通

運河を使っての「舟旅通勤」、時間的な弱点があるも心に優しい通勤ができそう!

ページに含まれる広告から収益を得ることがあります

東京都は船運の社会実験として「真夏のらくらく舟旅通勤」を2019年7月24日より8月2日(の平日)の期間に実施します。

運河の発達している湾岸エリアと日本橋の区間を船で通勤することで、交通渋滞や通勤ラッシュ時の混雑による影響を緩和しようという目的があります。

東京都は通勤手段を増やして、東京オリンピック・パラリンピックの開催中に発生する交通混雑を抑制したい考え。

初日となった7月24日、船による通勤が一体どんなものかを実際に乗って確かめてきました!

乗船料は無料で、乗船には「東京舟旅」のWebサイトか電話にて事前申し込みが必要。

先に、利用してみた感想を述べると、けっしてこの船が交通渋滞や満員電車そのものを緩和させるのではなく、混雑を避けて気持ちよく通勤したい人向けのひとつの通勤手段であると感じました。

「真夏のらくらく舟旅通勤」で日本橋まで行ってみた

社会実験とあって運賃は無料。筆者が乗船したのは勝どき(朝潮運河)の朝潮運河船着場から。

晴海トリトンスクエアの近く、黎明橋公園横にある船着場です。夕方になるとここから多くのサラリーマンが屋形船に乗り込んでいるのをよく見かけますね。

船は約40人が乗れる観光船「粋人丸」(三浦屋)で、このときには10名ほどの乗客がいました。

椅子には座布団。一応、安全のためベルト状の救命胴衣を着用します。なお、船の種類は複数あり、どれに乗るのかはそのときにならないとわかりません。

ここから日本橋までは以下のルートで進みます。

さて、船はほぼ定刻通りに出港すると、非常にのんびりした速度で朝潮運河を進んでいきます。

これほど水面に近い低い位置から街を見ることってなかなかありませんから、実に新鮮!ビルやタワーマンションがより高く感じます。

そのなかをゆっくりと進みながら受ける風が清々しい。梅雨空から奇跡的に顔を出した太陽が運河沿いの街並みをさらに美しく魅せてくれました。

朝潮大橋、佃水門をくぐると豊洲貯木場跡に。左手には豊洲の街が!

日本ユニシスやIHI、パークシティー豊洲やキャナルワーフタワーズなどのタワーマンションも見えます。

隅田川に合流して後ろを振り返ると、佃のリバーシティ21。やっぱりここは景観が素晴らしいですよ。

そうこうしているうちに永代橋を越え、豊海橋から日本橋川へと入ります。

江戸時代はこのあたりが魚市場だったわけですね。日本橋魚市場発祥の地碑が日本橋のすぐ近くにあります。

そして、ついに日本橋船着場に到着。所要時間は勝どきを出航してから日本橋まで30分かからずといったところ。予想よりも早く着きました。

便によって所要時間は30〜40分と差があるようです。

ちなみに、今回の社会実験とは異なりますが、日本橋〜豊洲を直通する船もあります。

船通勤は時間が弱点も、心に優しくて気持ちいい

この「真夏のらくらく舟旅通勤」は2019年8月2日までの期間限定で実施される無料の社会実験ですが、少なくとも2020年のオリンピック・パラリンピック期間中は本運航されるでしょう。

どれだけ需要があるかは不明。実験とはいえ(筆者の乗車した回は)利用者の少なさが目立ちました。

そういえば運航ダイヤについての説明がまだでしたね。

運航便数は片道7便、往復で14便です。運航時間は朝のみ。7時30分が始発で、15分ごとに1便ある感じ。最終は9時発の便です。

正直、速度の出ない船を使っての移動になりますから、通勤時間を短くしたいのであればやはり電車やバスを使った方が良いです(満員のストレスと引き換えになりますが)。

それに、「真夏のらくらく舟旅通勤」の運航区間である勝どき(朝潮運河)〜日本橋は、循環バス「晴海ライナー」の運行区間(晴海トリトンスクエア〜日本橋高島屋〜東京駅八重洲北口)とかぶっています。

一方で、いつもよりちょっと早く家を出られたときや、のんびり出勤したいなぁというときには、船での通勤はめちゃくちゃ良い!

公式サイトが“混雑から解放された新しい通勤スタイルを是非体験してみませんか?”と謳っているように、「真夏のらくらく舟旅通勤」がもたらす水辺の景色を眺めながら船通勤する気持ち良さは、ストレスが溜まる満員電車の息苦しさと比べて、天と地の差があるのは言うまでもありません。

時差BIZとか働き方改革とか今回の船通勤とか東京都はいろいろ打ち出してはいますが、やっぱり企業が積極的に動いて社員に対して通勤の選択肢を広げてあげることが重要かなと。東京都はその先頭に立つべきで、まず職員に対して船通勤を推奨し、試してみてほしいと思います。

ちなみに、筆者は船通勤をとても魅力的に感じました。もし自分が通勤するならば、急ぎのときには電車・バスを、ゆっくり通勤したいときは船を、というようにハイブリッド型の通勤定期があるといいかな。

それと、今後1万人以上が住むことになる選手村跡地の「晴海フラッグ」から船通勤できるようになると街の魅力が増し、面白いかもしれませんね!

真夏のらくらく舟旅通勤
■実施期間:2019年7月24日(水)〜8月2日(金)の平日
■運航区間:勝どき(朝潮運河)〜日本橋
■運航便:片道7便(往復14便)
■所要時間:30〜40分

豊洲に住むメリット:満員電車と無縁で、通勤ラッシュ時もラクラク座れます豊洲から電車に乗る場合、東京メトロ有楽町線とゆりかもめの2路線が利用可能です。銀座一丁目・有楽町・永田町・池袋などへは東京メトロ有楽町線...

いいね!で最新情報Get