2019年12月29日、SKYZ自治会は豊洲市場の屋外と周辺の美化に向けたゴミ拾い企画を実施しました。
ゴミ拾いに参加したのは豊洲6丁目で1,110戸を有する巨大タワーマンション「SKYZ TOWER & GARDEN(スカイズタワー&ガーデン)」の住民と豊洲市場で働く皆さんです。
ゴミが増えたら、ゴミを拾うしかない
豊洲市場が開場した2018年10月以来、どうしてもタバコの吸い殻やペットボトルなどのポイ捨てが目立つようになりました。
けっして市場の人が悪いというのではなく、往来するトラックの運転手や観光客など、その原因は複数あるでしょう。
きれいだった豊洲がこのままではゴミばかりになってしまうーー。
市場と同じ豊洲6丁目に位置するSKYZのマンション自治会は危機感を覚え、豊洲市場と協力してゴミ拾いを企画。住民に加え、豊洲市場の職員や仲卸業者も参加しました。
お天気に恵まれたこの日、同じ想いを持つたくさんの住民がゴミばさみとゴミ袋を持ち、驚くほど多くのゴミを回収。この量は酷すぎで、落ちているゴミに筆者はただただ驚くばかり。
豊洲市場の水神様に、市場の美化を祈願
実は、市場が築地から豊洲へ移転するよりも一足早い2018月9月8日、これまで魚市場の守護神として皆が手をあわせてきた「水神社(すいじんじゃ)」の遥拝所が豊洲へと移ってきました。
以後、水神様は6街区・加工パッケージ棟の裏手から豊洲市場で働く人々を見守っています。
市場で働く人には馴染みの神社でも、豊洲住民にとってはなかなか拝めるものではないわけで、ゴミ拾いに参加した方々はこの機会に水神社を参拝。
参拝の前には魚河岸会の伊藤宏之会長から詳しい解説をいただいたほか、豊洲市場商店会の伊藤淳一会長も来てくださいました。
せっかくなので、筆者も拝ませていただきました。きっと、SKYZ自治会の廣松会長は豊洲と豊洲市場の発展を祈っていたことでしょう。
圧倒的に多いのはタバコの吸殻
さて、気合が入ったところでゴミ拾いはまだまだ続きます。
チームを2つにし、手分けして市場周辺をくまなく回ります。
目立ったのは発泡スチロール、ペットボトル、空き缶、用紙、ビニール、そしてタバコです。
タバコの吸い殻が落ちているときは、1本ではなく、まとまって落ちているケースが多数。
風で飛んできてまとまったか、同じ人が故意で捨てているかのどちらかのケースかと思われます。
またタバコ。
ほんと、タバコのゴミが多い。。。
ちなみに、豊洲の位置する東京都江東区は歩きタバコとポイ捨てを禁止しています。
筆者のすぐ近くでタバコを吸いながら歩いている人の姿があり、手に持ったタバコをこの先どうするのかが非常に気になりました。
歩きタバコもポイ捨てもしないのがマナー。というか、生活していくうえでの最低ルールです。本来はこんな表示を貼らなくてもいいようにしなければなりません。
朝10時半から開始したゴミ拾いですが、わずか1時間半の間にこんなにもたくさんのゴミを回収しました。写真は種別ごとにゴミを分別したあとの袋です。
そのゴミはなぜゴミになったのか
落ちているゴミ。じゃあ、なぜそこにゴミはあるのか。ぜひ、もう一歩その前の状況をイメージしてみましょう。
実際、豊洲市場前の歩道には飲み干したビールの空き缶が丁寧に2本並べて置いてありました。
明らかについ先程もしくは昨晩にもここで酒盛りをしてそのまま空き缶を放置していったシーンが脳裏に浮かびます。
酒盛りしていたときはさぞかし楽しかったことでしょう。
でも、空き缶を片付けなかった。無責任な行為の結果がこれで、とても悪質な例です。
ゴミ箱に捨てて帰れば何も悪くないのに、どうして最後の一歩ができなかったのか。残念です。
今回、ゴミ拾い活動の成果を喜びたいところですが、どちらかというと驚きとかゴミを捨てていった人々への怒りの方が勝りました。
子どもでもわかる「ゴミは放置するとどうなるか」
これら空き缶やタバコの吸い殻はもともと持ち主がいたわけです。ゴミをポイ捨てすればこの場所が汚れていくことは誰でもわかるのに、どうして捨てていくのか。
すぐにゴミは風で飛ばされ、雨に流され、それが運河や海にたどり着いて水質悪化を招き、最終的には安全でおいしい魚を食べられなくなる未来がやってきます。
魚が獲れずに苦労する漁師さんがいれば、その一方で平気な顔をして環境を悪化させる水産業者や運送業者がいる。
商売のサイクルのなかで誰かが自分勝手な行為をすると、商売は成り立たなくなるのは筆者が言うまでもありません。このサイクルの構造から、いずれゴミをポイ捨てした本人に罰が下されることでしょう。
しかしながら、そんな罰は望みません。彼らに罰が下されたところで、皆が喜ぶ未来はやってこないからです。
このゴミ捨ての犯人はあくまでも想像の一例に過ぎません。青果業者や観光客もそうですし、散歩している豊洲住民だって十分に可能性はあります。
ゴミ1つにつき、1人の悪者が豊洲にいたのだと思うとゾッとします。
ひとりで勇気がなければ、みんなで拾おう!
大事なのはゴミを捨てないこと、ゴミを拾うこと。
普段から何気なくゴミをポイ捨てしてしまう人はゴミを捨てないよう意識を変えなければなりません。でも、正直に言うと、そういう人に対してゴミを捨てさせないようにするにはどうしたらいいか筆者にはわかりません。
また、ゴミは捨てるのは簡単だけど、拾うには勇気がいります。たとえ善行だとわかっていても、他人の目のあるなかで良いことをするのは何だか恥ずかしい気持ちになってなかなか行動できるものではありません。筆者もそうです。
でもね、こういったゴミ拾い活動に参加すると、不思議と迷いなく行動できてしまうものなんですよね。だからこそ、地域団体によるゴミ拾い活動は想像以上の成果を生むものだと思っています。
それに、会話も生まれて意外と楽しい!嫌々ゴミを拾うよりも、どうせだったら楽しんだ方が活動を続けられます。SKYZ自治会のゴミ拾いは今回で2回めの活動だったと記憶していますが、ぜひ3回、5回、10回と続けていってほしいです。
豊洲は住民だけでなく、多くの企業が日頃から清掃活動を行っているおかげで、おそらく全国の街のなかでも落ちているゴミの数が非常に少ない街だろうと自負しています。
とてもキレイな街なんですよ。
豊洲市場も豊洲です。美しい市場でいてほしいし、汚ない街になってほしくありません。繰り返しますがゴミのない街であり続けるためには、ゴミを捨てない、ゴミを拾う。この2つを実践するしかありません。
今回、SKYZ自治会のゴミ拾い企画に同行できて良かったです。きっとあなたの身近なところでも何かしらの清掃企画が行われているはずなので、ぜひ、あなたもゴミ拾いしてみませんか?
今日中に記事書きます!とゴミ拾い参加者さんに豪語したものの、ゴミ関係の記事を書くとどうも文章が長くなっちゃって公開が遅くなってしまいました。。。長文なのにここまで読んでくださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。