東京メトロ・有楽町線(地下鉄8号線)の延伸が決定したことに伴い、豊洲駅がどうなるのか筆者はとても興味を持っています。
豊洲駅の構造、特にホームの線路はどうなっていくのでしょうか。
前提として、有楽町線の延伸によって誕生する路線(いわゆる豊住線)は、新木場方面〜住吉方面のルートはなく、池袋方面〜住吉方面のルートで運行します。
これは江東区が実施した都市計画マスタープランの地下鉄延伸に伴う区民ワークショップにて、市民参加者である筆者が質問して確認済み。
それでは、今後大きく変わることになる豊洲駅のホームと線路の現状を確認しておきましょう。
豊洲駅で切れている2本の線路
まず、豊洲駅のホーム構造は2面4線。2つあるホームの両サイドにそれぞれ2つの線路があります。
1番線:新木場方面行き
2番線:(不使用)
3番線:(不使用)
4番線:池袋方面行き
2022年5月現在、2番線と3番線は仮設の資材で線路が閉じられていて、両ホームを自由に往き来できる非常に珍しい光景を見ることができますよ。
2番線と3番線は、豊洲駅ホームから南東へ進んだ直後のところで途切れています。
図で簡単に表すと、下記のとおり。
ホームの高さが違う
実は、2つのホームは高さが異なります。
新木場方面行き(1番・2番)のホームが低く、池袋方面行き(3番・4番)のホームが高いところにあるんです。
よく見るとわかるのですが、気づかないでいた方も多いのではないでしょうか。階段でいうと3〜4段ほど高さが違います。
新木場方面は上、住吉方面は下を通る構造に
では、線路はどうなっているか。
1番線は下り勾配のある比較的長いトンネルをストレートに進んだあとに写真左へ、つまり新木場方面へとカーブしています。
一方、2番線・3番線の線路は途切れているものの、気になるのは意味深な方向へ伸びているトンネルの存在です。
1番線よりも比較的手前のところで左へとカーブしているように見えます。その向かう先は住吉(枝川)方面です。
住吉への延伸をやるかやらないかはわからないけどとりあえずトンネルだけ奥まで掘って将来に備えておこうか、といった具合に経由する枝川方面に向かってトンネルが続いているのを確認できました。おそらく距離としては短いものでしょう。
さらに3番線はやや上り勾配であることを確認。これは新木場方面へ下りながら伸びる1番線の上を3番線がクロスして住吉(枝川)方面へ行けるよう上り勾配が設けられているのだとか。
じゃあ、2番線にはどうして3番線と同じような上り勾配がないのかと不思議に思って調べてみたところ、実は2009年〜2014年までに行われた豊洲駅の大規模改良工事の際に1番線と同じ高さに調整されたのだそうです(Reports for the future ~未来へのレポート~ より)。
今後、有楽町線の延伸工事が始まると2番線の線路は3番線と同様の高さに勾配をつけながら住吉(枝川)方面へと伸びることでしょう。
1番線の分岐されたこの線路にも何か変化があるかもしれませんね。
この光景が見られるのは今だけです。
延伸に伴う豊洲駅の改良工事は必須でしょう。出口・通路の拡張と追加や、エスカレーター・エレベーターなどバリアフリー対応も含めて、2030年代半ばまで続く工事がそう遠くない未来に始まります。