2024年10月19日現在、東京湾岸エリアの「有明テニスの森駅」のすぐ目の前で、地質調査が実施されています。
調査機関は2024年12月下旬まで。
内容は「都心部・臨海地域地下鉄事業化に向けた地質調査」です。
土質ボーリングを実施し、このエリアの地質工学的諸性質を把握するとともに、都心部・臨海地域地下鉄の設計に必要な基礎資料を得ることを目的としています。
地質調査の発注者は、鉄道の調査・設計から建設まで一貫して行っている「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)」の鉄道技術センター。地質調査の施工を行っているのは、基礎地盤コンサルタンツ株式会社です。
新地下鉄、2040年までの実現を目指す
以前にもお伝えしたとおりですが、「都心部・臨海地域地下鉄」とは、2022年11月に東京都が事業計画案を発表した東京駅〜湾岸エリアの東京ビッグサイト(有明)をつなぐ新しい地下鉄です。
東京都が東京ベイeSGまちづくり戦略2022で掲げた目標によると、2040年までに実現できるよう取り組んでいくとしています。
気になる新駅は銀座、築地、勝どき、晴海、豊洲市場、東京ビッグサイトの近くに設けることが想定されていて、東京駅と湾岸エリアを結ぶルートになるもよう(※駅は確定ではありません)。
2024年2月には“りんかい線”を運営している東京臨海高速鉄道がこの計画の検討に加わり、実現可能性が高くなったことで話題になりました。
有明で行われている地質調査は、ここが新線のルート・新駅の設置にふさわしいかどうかを調べるものにほかなりません。
ミチノテラス豊洲は新駅との接続を視野
では、豊洲エリアはどうなのか。気になっている方も少なくない豊洲の新駅は豊洲市場付近での設置が見込まれています。
忘れてしまっている人も多いかもしれませんので再掲しておきますと、豊洲市場のすぐ隣にある複合商業ビル「ミチノテラス豊洲」は“豊洲MiCHiの駅”として2021年に開業しました。
東京BRT、ゆりかもめ、シェア自転車、船着き場など、さまざまな次世代型交通結節点です。
実は、ミチノテラス豊洲を開発した清水建設の担当者は日経BP社の取材に
「(ミチノテラス豊洲は)地下鉄新駅との接続も念頭に置いている」
とコメントしています。
さらに、将来的な「都心部・臨海地域地下鉄」の実現を視野に入れ、ミチノテラス豊洲が新駅への対応を想定して建設されているのは公開資料にあるとおりです。
つまり、豊洲での新駅は少なくともミチノテラス豊洲と隣接した場所となるのはほぼ間違いなさそうです。
江東区は「海の森」へも伸ばしたい考え
このほかの動きとして、江東区は「海の森」も通るルートや新駅の設置を推進したいようです。
2025年3月には「海の森公園」が開園し、この自然溢れる公園に誰でも立ち入ることが可能になります。
さらに15年後、新地下鉄の開業目標である2040年には海の森エリアも大きく変化していることでしょう。
もしかしたら東京・湾岸エリアに鉄道を敷くのはこれが最後のチャンスになると言っても過言ではないですし、個人的には海の森にも駅を作った方が良いのではないかと思っています。
イベント「都心・臨海地下鉄新線推進大会2024」が開催へ
なお、新地下鉄の実現に向けた取り組みについては、定期的に講演会「都心・臨海地下鉄新線推進大会」を開催している中央区が非常に積極的。
豊洲に住んでいる私たちや有明も関係している地下鉄ですし、中央区民だけでなく江東区民もこういったイベントには参加してみた方が良いと思います。
シンプルにどんな状況なのかを知る以外にも、参加することで自分自身の都心部・臨海地域地下鉄への関心が高まるはずですし、より良い交通網を目指した意見交換もできるのはないでしょうか。
とよすとでは以前に過去の開催回を告知しましたが、2024年11月18日(月)にも都心・臨海地下鉄新線推進大会が予定されていますので、ぜひ足を運んでみてください!
【都心・臨海地下鉄新線推進大会2024】
■開催日:2024年11月18日(月)
■時間:18:00〜19:30(入場17:00〜)
■会場:第一生命ホール(晴海トリトンスクエア内)
■座席:自由席/車椅子席