豊洲市場

豊洲市場開場記念式典が開催、小池都知事・山﨑区長・伊藤会長の挨拶をすべて文字起こしでご紹介

東京都江東区で準備が進められている豊洲市場は2018年10月11日(木)にいよいよ開場を迎えます。

開場をおよそ1ヵ月後に控えた9月13日、豊洲市場では開場記念した式典「東京都中央卸売市場豊洲市場 開場記念式典」が開催され、多くの関係者が来場しました。主催は東京都と一般社団法人築地市場協会。

式典ではたくさんの方が壇上に上がり、開場を祝う挨拶やメッセージの発信が行われたのですが、そのなかから、東京都の小池百合子都知事や江東区の山﨑孝明区長、一般社団法人築地市場協会・東京都水産物卸売業者協会の伊藤裕康会長の挨拶に注目してみました。

今回、当サイトでは読者の皆さまに開場記念式典の様子を少しでもお伝えしようと、それぞれの挨拶を文字起こしし、それぞれご紹介することにしました。作業時間の関係で文字起こしできたのは御三方のご挨拶だけですが、ぜひご覧いただければ幸いです。

(テープカットの場には豊洲町会 小安会長も)

聞き取れずに文字に起こせなかった部分が一部ありますが、ご容赦ください。
(以下、文字起こし全文です)

開設者式辞で小池百合子 東京都知事

豊洲市場の開設者として一言ご挨拶を申し上げます。本日は豊洲市場の開場記念式典に多数のご来賓の皆さま、市場関係者の皆さま、ご臨席をたまわりまして熱く御礼を申し上げます。

豊洲市場は9月10日、農林水産大臣の許認可をいただきまして、いよいよ10月11日開場となります。豊洲市場の開場はこれまで長年にわたりますさまざまな議論や調整を経まして実現に至ったものであり、この間のすべての関係者の多大なご尽力、そしてご配慮に対しましてこの場をお借りしまして深く感謝を申し上げます。

現在の築地市場でございますが、豊富な品揃えや目利きの力などさまざまな魅力を備え、世界に誇る築地ブランドを築き上げ、これまで都民の皆さまの食生活を支えてまいりました。豊洲市場はこの伝統をしっかり引き継ぐとともに、築地市場が抱えていた老朽化、狭隘化といった課題を克服して、高度な衛生管理を実現する最新鋭の市場といたしまして出発をするものでございます。

私は2年前に生鮮食料品を扱う市場としての安全安心が十分に確保されていないという状況から移転を一旦延期いたしましたが、専門家会議の皆さまに詳細にご検証いただきまして、その提言を受けた追加の対策工事が完了したところでございます。これによりまして、暴露経路を遮断をはじめ将来のリスクにも備えたさらなる安全性の向上が図られております。この間に取り組んでまいりました豊洲市場の現状の検証、必要な対策、そして確認、という一連のステップを経ることによりまして、産地、そして出荷者の皆さま、市場関係者、消費者の皆さまなど、すべての関係者の皆さまにとりまして、安全安心な市場の開場の運びとなったわけでございます。今後もさまざまな課題については、適切な改善策を講じてさらなる安心の確保につなげてまいります。

本日はたいへん多くの市場関係者の方々や地元の方々にご臨席をいただいているところでございます。改めまして、豊洲市場は安全であり、安心してご利用していただける。そのことをお伝えをしたいと存じます。

また、本日はこの記念式典に先立ちまして内覧会を開催させていただきまして、私も各街区を視察いたしました。卸売場、仲卸売場の状況を確認をいたしましたところです。卸売場、仲卸売場、それぞれの状況を把握してまいりました。開場後の市場関係者の皆さまの活気あふれる取引の様子がまるで目に浮かぶようなことでした。

10月11日の開場に向けた準備もいよいよ大詰めを迎えているところでございます。市場関係者の皆さまには引っ越しをはじめとするさまざまなご準備を引き続きお願いすると同時に、都といたしましても円滑な移転、開場に向けまして万全の体制で臨むところでございます。ぜひ、皆さま方のお力添えをよろしくお願い申し上げます。

私は新たに開場するこの豊洲市場を関係者の皆さまと力を併せて、時代の変化に対応できる日本の中核市場といたしまして、また地域に賑わいをもたらし、世界も見据えた食文化の新たな発信拠点へと大きく育てていきたいと考えております。

結びにあたりまして、開場に向けて多大なご尽力、ご配慮いただきました皆さま、すべての皆さまに改めて御礼を申し上げますとともに、今後とも皆さまのいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願いを申し上げまして私のご挨拶とさせていただきます。

山﨑孝明 江東区長「築地の80年をしっかり受け止める」

平成13年に石原都知事の時代に豊洲への移転が決定しました。それ以前にも移転の計画があり、豊洲に決定したわけです。この市場移転に関しては最初から今日まで関わってきました。この間、いろいろなことがありました。そのなかで都庁の移転がありました。これも大変な騒ぎでありましたが、その何十倍も騒ぎになったのがこの市場移転でした。

やっとここまで来た、この立派な大きな市場を次の世紀まで続けていかなければならない。我々も業界のみなさんも責任が生まれたと思います。これからは都庁とも都議会とも地域とも、業界のみなさんと一緒に手を携えて地域の発展のためにもみんなで手を併せて、過去のことは水に流して前を向いて前進していきたいと思っております。

2年後にはオリンピック・パラリンピックもあります。多くの方が訪れるでしょう。選手村に近い、競技場に近いこの地は外国人もたくさんお見えになる。千客万来施設が延びてしまったのは無念でなりませんけど、しかしこの建物の6街区、7街区には現在築地の場内にある飲食店約40店舗、そして、物販、鰹節とか佃煮とか、いろいろなもの、包丁もそうですね。そういった物販のお店が70店舗解説されます。一般の人も入れるということで、当分の間そこが賑わいの拠点になるでしょう。おそらく多くの方が訪れると思う。

ぜひ、この豊洲新市場がこれから100年以上にわたって築地で培ってきた80年の伝統をしっかりと受け止めていくべきだと思います。私たち地元区としても業界のみなさんの声を聞きながらしっかりとその新市場が発展していくよう全力を上げて応援することをお約束をし、そして、開場にあたり心からお祝いを申し上げ、地元の区長として歓迎のご挨拶とさせていただきます。おめでとうございました。

一般社団法人築地市場協会・東京都水産物卸売業者協会 伊藤裕康会長

皆さまこんにちは。豊洲市場の開場記念式典の開催にあたりまして、業界を代表しましてひとことご挨拶を申し上げます。皆さま、私は今、あらゆる面で感慨無量でございます。ここに至るまで約半世紀の歳月が過ぎてまいりました。

築地市場は過密、狭小、老朽化などの問題が指摘されはじめましたのは古く、昭和30年代からでございました。以来、その解消をめぐりさまざまな議論が展開されてまいりましたが、平成3年に至りようやくまとまったのは現在地、つまり築地での再整備でございました。そこでは営業をしながら工事を進めるというローリング工法が採用されました。しかしながら、平成8年に至り、どうにも工事が進まない、現在地再整備は無理だということになりました。

その後、さまざまな議論を経て、平成13年12月、ようやく第7次東京卸売市場整備計画において、この豊洲への移転が決定されるに至りました。その後の紆余曲折はそのときどきの政治状況とも絡んで多くのマスコミで報道されたところであり、皆さまよくご存知のとおりです。この間、多くの方々からご意見やご提言をいただきました。私ども業界といたしましても業界内部で、あるいは開設者である東京都とときに侃々諤々(かんかんがくがく)、さまざまな議論をさせていただきました。

こうしたなか、昨年6月20日に小池都知事によって本年10月11日に豊洲市場を中央卸売市場として開設方針が決まり、そうして去る10日、農林水産大臣が正式に中央卸売市場としての認可をこの豊洲市場に与えられました。今、ようやくここにたどり着いた。これで堂々と、両手を振ってこの市場に入っていくことができるというのが私達の偽らざる気持ちでございます。

しかし、これでひと安心というわけには参りません。豊洲市場の開場とともに、新たなステップに入っていかなければなりません。まずは豊洲市場を円滑にスタートされることが肝要であります。このことに業界は全神経を集中させなければならないと思っております。

この豊洲市場は閉鎖型の卸売施設を基本とし、高度な温度管理を実現した低温卸売場など築地市場ではなし得なかった徹底した衛生管理を誇ります。出荷者の皆さまには多くの魚、野菜、果物などを市場に運んでいただき、買い出しの皆さまには安心して安全で良質な食品をお買い求めいただき、まずはこのことを徹底して実現していく。そしてその先に、この豊洲市場をどう活かし、ここで何をし、どのように発展させていくのか、といった道筋が見えてくると考えております。

2年後には改正卸売市場法が施行させ、卸売市場は新たな局面を迎えることになります。そのことへの対応も含め、これから考えることなすべきことはまだまだ山程あり、改めて身の引き締まる思いを感じているところでございます。

豊洲市場はひとつの作品であると私は見ております。市場のハードも作品でありますが、そこでどのような営みが描かれるかも市場の作品でありましょう。先達が不断の努力と卓抜した品揃え、評価、文化の知識と技術を持って築き上げてきた伝統ある築地ブランドを継承し、なおかつその上に次の世代につながる豊洲ブランドを創設し、定着させていくまでにはそれぞれの業界の知恵と努力の積み重ねが必要でありましょう。

これから長い年月がかかるものと思います。本当の作品はその先にできあがってくるものと思います。私どもは今スタートにあたって、そのことを十分に踏まえ、より発展性のある、より皆さまから愛され信頼いただける、安全で安心な食品をお届けする市場を運営していきたいと心の底から思っております。

来月11日の開場までにはまだ建設途上の部分もございます。東京都御当局にはさらなる安全管理の徹底をお願いいたします。ここに至るまで東京都の小池知事をはじめとする関係御当局、東京都議会、農林水産省、江東区、中央区、ご関係者の皆さま、建設業界の方々に、多大なお世話になりました。心から感謝と御礼を申し上げます。

私どもは今後この豊洲市場が世界に冠たる栄える市場となり、地元にも東京都にも我が国にも貢献できる市場となるよう精一杯努力していく覚悟でございます。

そして、八十数年にわたってお世話になってきた築地に心からの感謝と敬意を捧げつつ、この豊洲の地で立派な市場を作り上げることを業界の総意をもってお誓い申し上げます。本日はまことにありがとうございました。


(文字起こしはここまでです。写真提供:@toyosumapさん