2019年9月8日(日)の夜から翌9日(月)の朝にかけて関東に猛威を奮った台風15号。最大瞬間風速は千葉で57.5メートル、東京・羽田で43.2メートルなど、記録的な暴風で首都圏に甚大な被害を与えました。
8日の午後には多くの鉄道が当日の終電を早めたり、翌9日の始発を遅らせたりといった措置を発表。
9日は朝8時より運行を開始するとしていた9日(月)のダイヤは、想定よりも風が弱まるのが遅くれたために9時・10時に先送りとなるなど利用者に混乱を招きましたが、首都圏の企業は従業員に自宅でのテレワークを勧めたり、定時の出勤を強制しないところも少なくなかったようです。
台風15号では6割超の企業が柔軟に対応
豊洲の企業や周辺地域の企業・店舗はどう対応したのでしょうか。そこで、TwitterとFacebookのアンケート機能を使って調査してみました。
豊洲近隣の企業へお勤めされてる方を対象に、台風15号の9月9日(月)朝の勤務について勤務先が何らかの対策を実施したかどうかを質問。
Twitterでの回答項目と回答数は以下のとおりです。
- 出社時間を遅らせた 23%
- テレワークOKにした 20%
- その他、台風の影響を想定して何らかの指示が出た 20%
- 台風対策なし(通常勤務) 37%
171件の回答数のうち、出勤時間を遅らせたり、テレワークを実施したり、その他の対策を行った企業・店舗は6割超だったことがわかりました。
また、Facebookでは2択でのアンケートを実施しました(当時、3択以上で作る方法がわからずやむを得ず2択にしました)。
- 出社時間を遅らせたり、テレワークOKにした 74%
- 何も対策してくれなかった 26%
88件の回答のうち、何らかの対策を取った企業・店舗は7割超にのぼりました。
2つの調査結果を受けて
TwitterとFacebookでの調査結果から、だいたい6〜7割の企業・店舗が柔軟な対応を行ったことが判明。
交通や生活インフラ、救急にかかわる業務など、自宅作業や時間の調整が難しい業種もありますので、必ずしも10割にならないのはわかりきった上でアンケートを実施してみたのですが、この結果は概ね良かったのではないでしょうか。
オリパラ開催時には豊洲駅が交通混雑へ
ただし、これらの対策は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時のテレワークや時差通勤にどう生かされるかは不明です。
豊洲ではオリンピックで16日間、パラリンピック11日間、合計27日間にかけて多くの観客が訪れることになっています。
観客が有明アリーナへ向かうルートには唯一の最寄り駅として豊洲駅が設定されており、期間中に豊洲駅を利用する観客数は推定で毎日4万〜5万人。
特に、有明アリーナでの男女バレーボールは朝9時から第1セッションが開始するとあって、7時台・8時台には1万5000人ほどの観客・関係者が豊洲駅を利用することになるでしょう。もっと多いかもしれません。
大会チケットが発売済みであることからわかるように、残念ながらもう試合時間の変更は不可能です。
有明アリーナでオリパラが行われる27日間は間違いなく、豊洲へ通勤する従業員の方はもちろん、豊洲から他方へ通勤される方、豊洲で乗り換えてお台場・青海方面へ通勤される方など、湾岸エリアの企業とその従業員への影響はかなり大きいものとなります。豊洲市場へ買付けに訪れる飲食関係者もその影響は避けられません。
豊洲駅はこれまで経験したことのない猛烈な混雑となります。
東京メトロもゆりかもめも、やれることには限界があります。駅は拡張できませんし、運行本数は最大限まで増やしてくれるでしょうけどそれでは対応しきれないのです。
期間中、豊洲へ通勤しない選択肢を
そこで、湾岸エリアの企業さんにお願いがあります。
大会まであと10ヵ月。この準備期間を大切に使って、従業員の安全と業務環境を整えていただきたいのです。
台風15号の際はたった1日の対応で済みましたが、大会は27日間という長期にわたりますので、一体どれほどの業務をテレワークでできるのか、何日間も時差通勤可能なのか、さまざまな検証と行っていただき、大会期間中にもスムーズな業務が行えるよう準備をお願いしたいです。
おそらくと言うか、もうこれ以外に方法はないと思っていて、豊洲駅の混雑を少しでも緩和させるには通常の利用者を減らす、つまりは通勤者を減らすしか他にありません。もし、オフィスに出勤せずとも業務を遂行できるのであれば、ぜひテレワークや出勤時間をズラすなどのご対応をできませんでしょうか。
これはただのブログを書いているひとりの人間のお願いに過ぎませんので強制力も何もないのですが、豊洲に住んでいる人・豊洲で働いている人・豊洲に遊びに来る人向けに情報を発信している身として強い危機感を感じています。
大会期間中に豊洲駅でたくさんの方々が悲惨な目にあう気がしてならないのです。
東京オリンピック・パラリンピックが次に日本で開催されるのはいつになるかわかりませんし、皆さんにとって“邪魔”なものではなく“祭典”として楽しんでいただきたいですし、筆者もそうです。
そして、皆で選手たちを心から応援してあげられるような清々しいオリパラになってほしいと願っています。