築地市場が豊洲へ移転するのは11月7日に決定しているのですが、市場関係者の中にはこの移転日を延期を希望する声が大きく、11月7日から来年へ延期となるのでは?といった噂が話題になっています。
先日、就任したばかりの小池百合子都知事は移転推進派と延期派との意見交換会を開き、その後、8月16日に築地市場と豊洲市場を視察。その場では何も答えを出さなかったものの、リオデジャネイロ・オリンピックの視察から帰国する24日以降に何らかの決定をくだすもようです。
そもそも、築地市場から移転する必要はあるのでしょうか?理由は、築地市場の施設の老朽化が原因にあります。また、築地市場そのものが自動車による運搬を想定して作られたものではありませんでした。当時は市場内に線路があり、鉄道輸送が多かったんですね。ただ、今ではトラックがメインです。流通量の拡大とともに道路が狭さやトラックの出入りに限界が生じたため、築地からわずか2.3キロメートルと距離の近い豊洲へと移転が決まったのです。
予定地に決まった場所は豊洲の中でも後期に埋め立てられた5街区〜7街区になります。ここはかつて東京ガスのガス製造工場があった場所で、土壌汚染と地下水の汚染が確認されました。そこで、都は長い年月をかけて土壌の入れ替えによる汚染物質の除去と汚染地下水の汲み上げを実施。液状化対策なども行っています。詳細は東京都中央卸売市場のホームページで確認できます。
ただ、仲卸業者の中から移転を懸念する声が特に強く、この土壌汚染の心配や道路整備の遅れに対する不満が聞かれるほか、新市場の設備は市場内で作業する者にとって移動が難しいことや作業場のスペースが狭いなどの声もあります。また、移転期が繁盛期に重なることなどの不満もあるようです。
完了したとされる汚染対策をもう一度見直して検査、場合によっては再対策することには消費者としても安心できますので賛成です。道路整備は築地から豊洲市場を通過する環状2号線がまだ開通しておらず、ここはぜひ早めに進めてほしいところ。市場内の動線や作業場スペースの狭さに関しては建築前にわからなかったのか疑問が残ります。このあたりは建築側と市場関係者側との意見交換がうまく行われていなかったことが露呈していますね。
はたしてこのまま豊洲市場は11月7日に開場できるのでしょうか。個人的な意見としてはちょっと難しい気がします。もちろん、豊洲市場の開場は新たなスタートということで明るい話題にはなるのですが、いろいろと問題があるなかでの強行開場は納得できません。どういう状況なのかどう対策するのか、市場側・都側としてきちんと説明してほしいと思います。
最後に、現状を広く知ってもらうためにあえてお話しておきますと、市場移転反対派のなかには「何にでも反対する方たち」が混ざっていることもひとつ問題として挙げておこうと思います。Twitterを見ているとよ〜くわかります。移転反対をツイートしている人のプロフィールを見てみると、だいたいは「NO!◯◯」「◯◯反対」と書かれていますので、あぁ~なるほどな〜と。これらを理解したうえで、さまざまな意見や調査結果などをフラットな目線で見ていく必要があることを付け加えておきます。
と、今回は豊洲市場にはこんな問題が浮上していますよ〜という意味で、簡単にですが現状をお伝えしました。みなさんはどう思われましたか?