豊洲ではスケボーによる被害が後を絶ちません。2021年4月2日、筆者のもとに送られてきた有名アーティストのミュージックビデオ(MV)に豊洲でのスケボーシーンが多数映っており、これがTwitterで波紋を呼んでいます。
Twitterをご覧になっていない方のためにも、ここに一連の出来事をまとめておくことにしました。
筆者が一番強く言いたいことは、世の中のスケートボーダーは決して全員のマナーが悪いわけではないけど、豊洲でスケボーしないでくれということです。
※追記:2021年4月6日、アーティストの所属するレコード会社が本ミュージックビデオの無許可撮影を認め、映像の公開を停止しました。
【豊洲ぐるり公園・豊洲公園などでのスケボーについて】
Q:公園内でスケートボードは出来ますか?
A:公園内全域スケートボードは禁止となります。器物破損等目撃した場合は、警察への通報に繋がりますので、絶対にやらないでください。
通報先:TEL03-3520-8819
(豊洲ぐるりパークセンター)
豊洲ぐるり公園・豊洲公園・豊洲六丁目公園・豊洲六丁目第二公園はあわせて「豊洲ふ頭内公園(愛称:豊洲ぐるりパーク)」と呼ばれ、管理指定業者の豊洲パークマネジメントJVが。管理事務所は豊洲ぐるりパークセンターです。
一連の出来事について
それでは、そのミュージックビデオ(MV)についての経緯をご説明します。
- 4月2日、有名アーティストのMVのロケ地が豊洲であるとの情報が筆者に寄せられる
- 筆者がそのMVをYouTubeで視聴
- MVにはスケボー禁止のはずの豊洲ぐるり公園など豊洲のあちこちでスケボーするシーンが映っていた
- MVを撮影した監督のツイートを発見し、筆者がコメントする
- 豊洲ぐるり公園の管理事務所へMVの内容を問い合わせ、無許可の撮影だったと判明
- 監督がMVに関するツイートを削除
- 制作会社スタッフから下記のとおり説明と謝罪の連絡が来る
このほか、筆者は個人的にこのMVについてガッカリした旨をツイートしました。
撮影スタッフからの説明
そして、4月2日の夜。筆者が監督宛に送ったツイート内容に気づいた制作会社スタッフから説明と謝罪の連絡が届きました。その内容の要点をまとめると以下のとおりです。
- 今回の原因は監督やアーティストではなく、スタッフサイドの判断ミスだった
- 撮影スケジュールの関係で、当初予定していた場所ではなく豊洲ぐるり公園で撮影することになった
- 撮影当日、豊洲ぐるり公園の管理事務所へは挨拶をした
(注:実際には管理事務所への挨拶は無かった)
- 公園内にてスケボーシーンを撮影
- 豊洲の景観を損ねる撮影だったと大変反省している
- 監督のツイートは出演者にも迷惑がかかる可能性を考慮して削除した
- 豊洲ぐるり公園側へは謝罪の連絡をさせていただく
監督やアーティスト、スケートボーダーや子役などの出演者には責任はなく、スタッフが公園のきまりを確認しなかった点に責任があるとしています。説明の文面からは大変責任を感じている様子が伺えました。
たしかに場所の手配や手続きのミスはスタッフのせいである可能性があるため、アーティスト名や監督名を本記事に記載するのはやめておきました。
豊洲ぐるり公園での撮影申請について
では、豊洲ぐるり公園での撮影ルールはどのようになっているのでしょうか。動画の商業撮影に関する規則は以下の通り。
- 商業撮影は原則として2ヵ月前〜7日前までに申請する必要がある
- 動画の場合には1時間あたり14,625円の公園使用料が必要
- 撮影可能時間帯は平日9時〜17時のみ(例外を除く)
- 通常公園で禁止されている行為を伴う撮影は禁止
MVの撮影は商用撮影にあたります。商業撮影は最低でも7日前までに申請する必要があることから、撮影当日に豊洲ぐるり公園での撮影を決定したこのMVについては撮影許可を得ていなかったことがわかります。
スタッフの説明にあった「撮影当日、豊洲ぐるり公園の管理事務所へは挨拶をした」というのは申請に当てはまらないでしょう。
そして、豊洲ぐるり公園はスケボーを全面的に禁止しています。マナーの良し悪しに関係なく、スケボーそのものが禁止の公園なのです。
上記ルールのとおり、「通常公園で禁止されている行為を伴う撮影は禁止」としていますから、たとえスタッフが事前に申請したとしてもスケボーのシーンは間違いなく審査で通らなかったはずです。
公園の管理事務所に問い合わせたところ、
「これは事前に申請のない案件の可能性が高い。(映像の終盤に出てくる)夜間に撮影されたシーンは間違いなく公園側で許可していない」との回答がありました。17時以降は基本的に撮影できないことになっています。
つまり、このMVは本来制作できるものではなかったのです。
公園のルールを守らずに撮影したこのMVは、皮肉にも自らの禁止行為を撮影した証拠映像となりました。
今後の参考に、豊洲ぐるり公園での商業撮影における申請手順を挙げておくと以下のとおりです。
商業撮影の申請手順
- 事前相談
- 申請書類の提出
- 審査
- 利用料支払い
- 許可証の発行
- 撮影
豊洲ぐるり公園に限らず、豊洲公園、豊洲六丁目公園、豊洲六丁目第二公園でも同様です。
春海橋公園で商業撮影する場合
なお、これだけではありません。MVの撮影は豊洲ぐるり公園のほか、隣接する都立「春海橋公園」でも行われていました。
晴海橋公園での商業撮影には「辰巳の森海浜公園管理事務所」への申請が必要です。企画書・図面・申込書の提出のほか、料金の支払いを撮影までに済ませます。
また、撮影当日には管理事務所で「撮影許可腕章」を受取り、常に携帯するきまりです。
豊洲でスケボーしないでください
残念ながら、許可なく撮影された禁止行為を含む映像が有名なアーティストの新曲MVに使われたことで、MVを見たスケートボーダーが豊洲ぐるり公園をはじめ豊洲のあちこちにやってくる可能性があります。
今や豊洲ぐるり公園はスケボーの被害が最もひどく、開園からわずか3年も経たずにベンチはこんなにもボロボロな姿に。
世の中のスケートボーダー全員が悪いわけではありません。
しかし、公園のベンチや縁石が傷つけられ、ビルやマンションの施設が黒い擦り傷でボロボロに破壊されるなるなど、豊洲のたくさんの場所でマナーの悪いスケボーによる被害が多発しているのが事実。
歩道での人的被害もあるそうで、小さい子を持つ親も心配で仕方がないのです。
あなたがただの歩道だと思っているその場所も、実はビルやマンションの一部だったりします。建設現場の職人さんが、汗水たらして何年もかけて完成した物なのです。
今回のMVで行われた無許可撮影は、そんなスケボー被害に拍車をかけるものにならないか心配でなりません。
これらの被害が実際に多数あることから、豊洲ぐるり公園など豊洲の多くのところではスケボーを禁止しています。
もう一度最後にお願いします。豊洲でスケボーしないでください。