氷結熟成鮨をはじめとする他店ではなかなか食べられないメニューを提供する「Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨- 豊洲店」が豊洲セイルパークの開業とともに2025年7月24日にオープンしました!
カナダの1号店で“ABURI 押し鮨”が月間100万本を売り上げたことで話題になりましたが、国内店舗は決してインバウンド向けというわけではありません。
日本では二子玉川、自由が丘に続く国内3号店が豊洲。洗練されたライフスタイルを楽しむ客層の多い豊洲でこれまでの鮨の概念を崩す新しい体験価値を提供したいという想いから豊洲セイルパークへの出店を決めたとのこと。

ありがたいことにオープン直後にお店を訪れたとよすとの読者さんがお店の方に弊サイトをご紹介してくださったらしく、このたび株式会社Aburi TORA Japanさんより連絡をいただき取材する機会を頂戴しました。
取材ではお話を伺っただけでなくおすすめメニューの試食もさせていただきましたので、いつもどおり表現力の乏しい感想(笑)とたくさんの写真とともにAburi TORAの特徴をお伝えしたいと思います!
伝統の江戸前鮨を技術で前進させる氷結熟成鮨

氷点下0.1℃の際どい温度設定による世界初の氷結熟成技術で旨味を凝縮し、究極の美味しいネタを提供することに成功した「氷結熟成鮨」がAburi TORA 豊洲店の看板メニューのひとつ。
単刀直入に説明すると、ネタが旬でない季節であっても旬のように美味しくいただける画期的な技術です。

まずはぜひこれを食べてみてください、と言われて出していただいたのがこちらの牡蠣。
磯の爽やかな香りが心地良く、ふっくらした身はぷりぷりで口のなかでとろける!
実はこれ、昨年に兵庫県・播磨で獲れたものでまさに氷結熟成で提供してくれた播磨牡蠣だったのです。さ、昨年!?と、つい声を出してオーバーリアクションしてしまったのですが、食べてみてビックリしました。
獲れたての新鮮な牡蠣が美味しいことは知っていたものの、昨年から熟成させたものがこんなにも美味しいとは知らず、初体験でした。

続いて、「究極!熟成本まぐろづくし」。
氷結熟成された中トロは身の中の余分な水分が減って旨みが増し、程良い感じのねっとり感でまぐろの持つ味の奥深さを感じます。

本まぐろの鮨はどのお店でも提供していますから、普通の鮨と氷結熟成鮨の違いが一番よくわかるのではないでしょうか。この赤酢のシャリも良いですね。
生の本まぐろは大好きですが、こちらの氷結熟成された本まぐろの鮨もめちゃくちゃ美味しくて、ぜひ実際に食べてみてほしいと思いました。

メニューの柱は4つのメインメニュー
Aburi TORA 豊洲店は豊富なメニューを用意してあるのが特徴で、最初に紹介した氷結熟成鮨をはじめ、大きくわけて4つのジャンルの鮨がいただけます。
- 氷結熟成鮨
旨味を凝縮させいつでも美味しくいただける世界初の氷結熟成鮨 - 炙り鮨
日本伝統の炙り鮨 - Aburi鮨
出店したカナダで大人気となった押し鮨の炙りを逆輸入 - 塩と檸檬鮨
岩塩とレモンでいただく素材本来の美味しさをいただける鮨
このほか、ランチタイムにはランチメニューの提供もあります。
基本的にはすべての鮨は氷結熟成させたネタになっていて、そのまま提供するか、炙りや押し鮨、塩とレモンで出すかで異なっています。
「炙り鮨」と「Aburi鮨」はどちらも“あぶり”の名前がついていますが、まったく別物。
どう違うのかというと、炙り鮨は網の上でガスの直火で炙る日本的な鮨である一方、Aburi鮨はカナダ・バンクーバー店で爆発的に人気となったソースを塗ってバーナーで炙った押し鮨です。

「炙りさわら」は網を使い、ガスの直火で炙っているので香ばしい炙り鮨。グランドメニューなのでいつでも食べることができます。

まるで焼肉の香りが食欲をそそる「炙り本まぐろ中とろ」は、食べてみるとやっぱりまぐろ!口のなかでとろけます。これが1貫528円で食べられるとあってコスパも素晴らしいです。

押し鮨を炙ったAburiからは「Aburi Oshi トリオ」をオーダー。写真左からサーモン、海老、鯖です。
サーモンはピリッと辛味を効かせて。海老はクリーミーでしっかりした味付けで、とっても筆者好みでした!味噌ソースがキマっている鯖はまるで鯖の味噌煮のような鮨に仕上がっていて驚きです。

“海老のステーキ”と表現するのが一番ピッタリな気がするこちらの「Aburiボイル海老バジルソース」。鮨の概念を超えたクリームソースには醤油、味噌、みりん、梅エキスなどが使われていて、ユニークでありながらも味がしっかりまとまっていてめちゃくちゃ美味しいです!
そして、4つめのジャンルが「塩と檸檬」です。

シンプルに岩塩とレモンでいただく鮨で、「熟成しまあじ塩」がこちら。
身が真っ白で不思議なしまあじ。これを普段なら醤油でいただくところを、すでに乗っている岩塩とレモンでいただきます。身はしっかり締まっていて肉厚!甘みもあってこれは何個も食べたくなるネタです・・・!
Aburi TORAは最終的に人が感じる味覚「美味しい」にこだわりまくっているところで勝負していると言います。
そのため仕入れにもこだわりがあり、全国から質の良い魚介類を探し出し、その生産者からまとまった量を直接買い付けています。

たとえば、こちらのタコは宮城県石巻市にタコの神様と呼ばれている生産者さんがいるそうで、その人から仕入れたもの。
炙ってタタキにした状態からさらに氷結熟成させて旨味が増した「たこのタタキ塩レモン」は、ちょうどいい弾力と噛めば噛むほど味のする不思議。これは衝撃的でした!
すべて店舗で仕込み、AIでロス削減

これほどまでにメニュー数が多いと、ネタの仕込みも大変そう。なんと、セントラルキッチンはなく、すべての仕込みはそれぞれの店舗で行っているのだとか!
氷結熟成鮨の仕込み方法などは企業秘密とのことで教えていただけなかったのですが、お店の厨房では大人数のスタッフで手間をかけながら仕込みをしているそうです。
さらに、各営業日の需給バランスを予測するのにAIを活用。データに応じた量を仕込むことによって廃棄ロスの削減が可能になり、結果として質の良いものをリーズナブルな価格で提供できるようになりました。
注文はスクロールだけで選べるタブレットから

回転寿司のように延々と鮨が回っているのではなく、オーダーすると高速レーンで握りたての鮨が席まで届けられるのも嬉しいです。

一般的なお鮨屋さんだと同じネタを何度も繰り返してオーダーしづらい空気がありますが、Aburi TORAはタブレットで写真つきのメニューのなかから好きな物を好きなだけオーダーして気軽に食べられます。
実際に、ウニやサーモンばかりを注文するお客さんもいるのだとか!周りに気兼ねなく好きな物を好きなだけオーダーして食べられるので、また次も来たいなという気持ちにもなります。

しかも、このメニュー画面の操作がわりと秀逸で、ジャンルごとに並んだタブの切り替えが面倒だと思ったら、横スクロールするだけでジャンルを横断して全メニューが見られる!
しかも、スマホのように縦スクロールでもメニューの閲覧・オーダーが可能なんです。これが使いやすかった!

メニューは鮨や一品料理、ドリンクも含めるとものすごい数があるみたいで、おそらく200〜250種類くらいあるとのこと。
最初に牡蠣を出していただきましたが、何気にこういったお酒にあう一品メニューも豊富にあります。
お酒は焼酎や日本酒もあり、価格はわりと良心的に感じましたね。「イチローズモルト」のハイボールもありますよ!

日本の鮨を工夫次第でさらに美味しくできるを実現したAburi TORA
魚介類を獲れたての新鮮なうちにどれだけ速く口にできるかが美味しさのポイントだと思っている消費者は決して少なくないでしょう。筆者もそう思っていました。
鮨を評価するときに、口癖のように「新鮮」とか「鮮度が良い」と言ってしまいがちですが、「新鮮」と「美味しい」は必ずしもイコールにはなりません。
生産者が自信を持って提供した素材をそれに合うようお店がさまざまな仕込みをして鮨にするから美味しいのです。当たり前と言ったら当たり前なのですが、そう気づかせてくれたのが今回の取材でした。

旬なものを旬なタイミングでいただくのはもちろん美味しい!けど、旬なものをあえて氷結熟成することで旨みを凝縮させ、違うシーズンにも美味しく食べられる工夫をしているのが「Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨- 豊洲店」です。
お店のこだわりと努力こそがそのお店の顔になると筆者は思っていて、回転寿司とは違うけど高級鮨店でもない、それなのにクオリティが良くてお値段もそこそこリーズナブルという満足度の高いお店だと感じました。
もし、4つの看板メニューから何を食べようか迷ったら、「今日のおすすめ」をぜひチェックしてみてください。生産者を訪れて買い付けた厳選ネタがいただけたり、他の鮨店ではなかなか提供していないような希少なネタもありますよ!

なお、鳥取・琴浦の「サーモンづくし」は夏限定での提供でしたが、人気のため秋も継続が決まったそうですからぜひお試しあれ!
【Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨- 豊洲店】
■営業時間:11:00〜22:00(最終入店20:30)
■定休日:なし(施設に準ずる)
■電話番号:03-6225-0575
■場所:豊洲セイルパーク2階
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