2025年10月31日(金)、アーバンドック ららぽーと豊洲2で19年にわたり営業してきた「フードストアあおき 東京豊洲店」が閉店しました。
静岡県を除き、県外最後の1店だった東京豊洲店。豊洲だけでなく湾岸エリアや周辺地域からもお客さんがやってくるほど商品の質の高さで評判だったスーパーです。
18時30分からはららぽーと豊洲1の1階センターエントランスで閉店セレモニー“お別れの集い”が開催。
(閉店セレモニーに訪れたたくさんの人々)会場を訪れると、あいにくの雨にもかかわらず、あおきの閉店を惜しむたくさんの人が集まっていました。
2階・3階の通路から見物する人も含めると、400〜500人はいたように思います。
あおき豊洲店 お別れの集い
セレモニーは、笑顔でお別れをしようという趣旨であることがMCから伝えられて開始。
壇上やパネルの後方も含めるとおそらく全従業員が集まっていたのではないでしょうか。
そんななか代表して3名の従業員と店長が登壇。これまでの感謝の言葉や心に残ったエピソードなどを語ってくれました。
従業員が語る思い出のエピソード
レジ部でサービスカウンターを担当していた従業員さんは、
「一番印象に残っているのは震災のとき。お店を閉めた後とかに、温かいお茶とかバナナとかを皆さまにお配りしていたんですけど、翌日以降にありがとうと言われて、良かったな〜というのが心に残っています」
と、温かいエピソードに会場からは大きな拍手が。
また、ベーカリーコーナーの従業員さんからは最後だからとぶっちゃけ話も。
「ベーカリーで一番人気だったのがなんとパンの耳だったんですよ」
と明かすと会場からは笑いが沸き起こりました。
好きなパンを2ヶ月以上ほぼ毎日買っていったお客様がいたことも印象に残っていたエピソードとして紹介されました。
また、惣菜部を担当していた従業員さんが、
「一番の思い出は・・・餃子です。たいへん好評をいただいていて、今日も昨日も一昨日もほぼずっと餃子を焼きっぱなしでした。皆さんのせいです!」
というと大きな笑いが!やっぱり、あおきの餃子は美味しいですし、それだけ多くの方に人気だったことがこのリアクションからも窺えます。
セレモニーでは、お客様から寄せられたメッセージの紹介や、隣接のマンション「アーバンドック パークシティ豊洲」の婦人部(レディースクラブ)から利用者を代表してあおきに感謝の言葉を伝える場面もありました。
「閉店することに申し訳ない」と塩澤店長
そして、最後には塩澤店長がマイクを持ち、会場に訪れた皆さんとすべてのお客様へお別れのメッセージを述べました。
全文を以下に残しておきます。
東京豊洲店の店長の塩澤と申します。
本日はお足元の悪い中、当初の予定では天気がよければ外のシーサイドデッキにて、このような場を設けるという予定であったんですけど、あいにくの天気となってしまいましたので、こちらの場所に移動していただきました。
それでもこれだけの多くのお客さまにお集まりいただきまして本当にありがとうございます。そして、今日お客様に最後挨拶をする場を設けていただきました。ららぽーとのスタッフの皆さま、本当に感謝申し上げます。
私どもは2006年10月5日に開店して以来、本日まで営業を続けてまいりましたけれども、本日をもちまして閉店となりました。
20年弱の長きにわたり今まで営業を続けてこられたのは、一重にここにいるお客さまの支えがあってのことだと思います。本当に感謝申し上げます。
自分たちが今までこうやって営業を続けて来れたのはですね、今日ご紹介があったメッセージとか、それと9月にこの閉店するってことを皆さまにお伝えして以来いろいろな投書もいただきました。本当にお惜しむ声、お店を閉店するなとか、豊洲がだめでも東京のどっか都内にお店出店できないのとか、そんないろいろなお声をいただきました。
それを拝見するにですね、閉店するってことに対しての申し訳なさと、それと同時にそれだけうちのお店が、あおきがお客様に愛されていたんだなということを、改めて強く実感できたことを本当に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
このたくさんのメッセージの中にですね、今ちょっとエピソードとかお話にも上がりましたけれども、例えば、商品の◯◯が美味しかったとかね、いつも◯◯を買っていただいているとか、具体的に商品名を記入していただいて、その商品に対してのお褒めの言葉、数多くのお褒めの言葉をいただいていたんですけれども。
ずっと常々営業していて思ってたのは、やはりお客様があってのあおきであって、私たちの想いを持って仕入れをしたり、商品を作ったり、自分たちが売りたいなと思うような商品を売るためにはですね、買っていただくお客様がいない限りはその商売は成り立ちません。
そういう意味では、お客様に買っていただいた、支持していただいた、そういったことがここにいるスタッフ全員のすごいやりがいやモチベーションを高くしてくださいました。これだけ多くのお客様に利用していただいてるんだったら、さらにもっといいものをとか、もっと美味しいものを提供しようと、そういう想いで常に商売を続けてくることができました。
静岡の片田舎からこの東京の一等地に出店して今まで20年弱、長きにわたり営業を続けてきたことに対しては、本当に大きな誇りですし、すごい大きな財産を築いてこれたことに本当に感謝申し上げます。
もう明日からは今まで普通にやってきた仕入れとか販売、製造、そして接客、そういったことがもうなくなるってことに対しては本当に大きな戸惑いを感じてます。今日ここにいるスタッフは静岡の店舗に移動する者もいれば、今日をもって退職して次の人生を歩む者、様々な境遇の者がいます。ただ、いずれにせよ、今までこのお店で築き上げてきた財産を糧に静岡の店舗でもこれを活かして営業を続けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、本当に20年弱の長きにわたり皆さまの支えがあって今まで営業を続けて来られたことに、本当に心から感謝申し上げます。本当に、本当にありがとうございました。皆さまお元気で、さようなら。
途中、目から光るものを見せる場面もあり、声を何度も詰まらせながらもこれまでの想いやお客様への感謝を精一杯に言葉にした塩澤店長。
店長と全従業員へありがとうという気持ちが大きな拍手を生み、会場ではしばらく鳴り続けました。
歴史のない豊洲と揶揄されることがありますが、こんなにも人々から愛されてきたお店が豊洲にあったことを私は誇りに思います。
(セレモニー終了後もパネルの前には多くの人が)
(閉店3日前のあおき東京豊洲店。すでに商品の多くがなくなっていた)
(筆者が好きでよく買っていた塩麹サーモン)
(閉店直後のようす)
(閉店直後、早々にお店の装飾が撤去される)
(解体に向けて養生された店内)
あおき東京豊洲店の閉店を伝えるニュースはこちら↓
