豊洲市場の移転時期「2018年9〜10月」、千客万来施設や追加工事はどうなのか

東京都は2017年10月16日夕方、これまで築地市場の豊洲への移転時期を2018年6月〜秋としていましたが、「2018年9〜10月」と具体的な数値を出して市場関係者へ提示しました。

ただ、現段階で都の方針に難色を示している万葉倶楽部が千客万来施設のオープンを未定としていたり、築地市場の関係者からは移転準備に時間を要するとの声が聞かれます。また、小池都知事が実行を指示した豊洲市場の土壌汚染に関する追加工事は一部が入札中止になるなど移転はスムーズにいかないもよう。

東京オリンピック・パラリンピックの準備や開催期間中に主要道路となる予定の環状2号線は築地市場がどかなければ整備できず、現在は当初の計画を大幅に変更したプランBが進められています。しかし、それでも市場の移転が完了しなければ道路を開通することができません。

(当初計画されていた築地地下トンネルの工事)

 

すでに市場部分以外の道路は完成しているにも関わらずこの環状2号線が使えないために、晴海に選手村を建設する工事は時間とコストの無駄を強いられています。

(選手村を建設している晴海地区)

さまざまな課題が山積するなか、豊洲市場は何もしなくても巨大冷凍庫や警備など莫大なコストがかかっていることはすでにご承知のとおり。その額は1日あたり500万円や700万円とも言われています。サラリーマンの年収に近い額が1日に使われているのです。

さらに都は豊洲市場に本来不要な追加の土壌汚染対策工事をあえて“必要”としてしまったために、1日あたりの無駄なコストと追加工事の費用をダブルで負担へ。当然、そこには都民の税金が使われるのです。

そもそも、小池都知事は自分が決断した移転延期という大きな間違いを、追加工事の実施という形で揉み消そうとしていることを我々は忘れてはなりません。この間違いのせいで、移転の延期による膨大なコストの発生や環状2号線の工事遅延を引き起こし、今後さらには東京五輪開催時の交通にも影響を及ぼすおそれがあります。

(豊洲市場前から晴海・築地方面の環状2号線)

一刻も早い移転が求められる一方、千客万来施設の問題がまだ解決していません。豊洲市場の敷地内に千客万来施設をオープンすることは市場移転に関わる約束のごとのひとつになっています。ここに商業施設や温浴施設ができ、多くのお客さんを呼び込む賑わいの場所となるはずでした。

 

しかし、築地市場の跡地を5年後に再整備するプランを発表してしまった小池都知事に反対する形で、万葉倶楽部は千客万来施設の立ち上げを拒んでいます。千客万来施設はこのままだとオープンできないでしょう。これについて、豊洲の位置する江東区の山崎区長は「市場移転の条件であったはずの千客万来施設が無いとなると、移転には反対せざるを得ない」とコメントしています。

(千客万来施設の用地)

豊洲市場の開場、すなわち築地市場の豊洲への移転は

①築地市場の再整備案を大幅に見直し、従来計画通りに豊洲市場に千客万来施設を設置する。
②(本来やらなくてもいい)豊洲市場の追加対策工事の入札を無事に完了して、予定通りに工事を済ませる。
③2018年9〜10月までに移転し、築地市場の解体を行う。
④2020年の早い段階で環状2号線を開通させる。

と、小池都知事をはじめ都が1日でも早く着手しなければならないのは上記にとどまらず、そのほかたくさんの課題があることは政治に素人の筆者でさえもわかります。

「都議会の皆様と、知事、職員が、馴れ合いや根回しで事を円く収めるのではなく、都民の皆様の前でその決定過程を詳らかにご覧いただく。都民の利益のために、一刻も急がねばならない事案、施策につきましては、都議会の皆様の迅速なご承認を賜りますよう、切にお願いを申し上げます」

都知事に就任して初めて都議会定例会の本会議で行った所信表明。衆院選の応援でまったく公務をこなせない小池都知事はその“約束”を守れているのでしょうか。