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有明西学園、抽選なしの入学条件や教育方針を説明会で聞いてきた!9年制小中一貫の“義務教育学校”

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2017年10月18日、江東区教育委員会は2018年4月に開校する「江東区立 有明西学園」について保護者や一般向けの説明会を開催しました。

区としては初となる9年間同じ学校内で教育を行う“義務教育学校”の設立とあって保護者の関心は高く、また参加しやすい19時からの開催とあってか、会場となった有明小学校の体育館は満席。用意してあった600席もの椅子はすべて埋まり、学校側は急遽パイプ椅子を追加設置するほどの大人数が有明西学園の説明を聞きに訪れました。

 

教育委員会事務局の石川次長は「義務教育学校は都内だと品川区に6校あるが、統廃合で設立する学校が多いなか、有明西学園はまったくの新設校というたいへん珍しい学校」と挨拶のなかで義務教育学校の特徴について触れました。

“義務教育学校”とは改正学校教育法によって2016年からスタートした新しいタイプの学校。小学校と中学校の小中一貫教育を行う学校種で、6年制・3年制だった小中教育を4・3・2や5・4など、学年の区切りを変えることができるため学校の教育方針や地域の特色を活かした柔軟な教育を行えるのが特徴。2017年現在、全国に48校あります。

有明西学園は既存の小中教育と同じように、小学校にあたる教育過程を6年・中学校にあたる教育過程を3年とし、それぞれを前期課程・後期課程と呼んでいます。

 

 

正門も校庭のトラックも2つ

続いて、教育委員会事務局学校施設課長の谷川氏は有明西学園の設備について解説。

横に長い校舎は東側が前期課程(小学校)・西側が後期課程(中学校)となります。正門も東西にあり、それぞれわかれて設置。校庭もそれぞれ大きさの異なるトラックがあるため、体力や年齢にあった運動が可能です。

資料によると校舎内は非常に先進的な様子が伺え、教室の照明はすべてLEDを使用して環境を意識した造りに。江東区は木材の街として栄えた歴史があることから、木をふんだんに使用をした温かみのある校舎となっています。

 

なお、5階にはランチルームが用意され、約200名(5クラス)が同時に食事できるキャパがあるとのこと。しかしながら、有明西学園は前期16クラス・後期6クラスの合計22クラスの生徒数が計画されていることから、「ランチルームで全員が同時に給食を食べることは無理ではないか?」といった質問が会場からありました。

教育委員会からは「ランチルームの活用については今後検討していきたい」との回答があったものの、肝心の給食はどこで食べるの?って話なのですが、給食に関しては普通に教室内で食べることになっているそうなので、とよすとをご覧の方々はぜひこの事実を他の保護者の方々にお伝えいただければと思います。

 

説明会のなかでは竹中工務店の製作したCG映像が投影。学園の設備はかなり凄いものとわかりましたが、保護者へのアピールにも力を入れているのがわかります。

 

 

英語教育に力を入れる

教育委員会事務局指導室長の本多氏からは教育についての解説がありました。

江東区有明エリアには東京オリンピック・パラリンピックの競技会場が建設され、ここへはアスリートたちが夢の実現のためにやってくることを挙げ、そこに建つ有明西学園では「主体性」「確かな学力」「夢」「やさしさ」「あたたかみ」「生きる力」を大切にした教育を行っていきたいと説明。

特に、英語教育は1年生から9年間通じて実施するとし、江東区がすでに導入しているALTを活用したネイティブの英会話教育を行うとのこと。

また、タブレット端末の導入などICT端末を使用した先進的な教育にも力を入れていきます。余談ですが、説明会中にも多く見られたのですが、すでにスマホやタブレットで動画を視聴したりゲームで遊んだりするお子さん(いわゆるデジタルネイティブ)が多いなか、逆に、教育の場でICT端末を使いこなせる教師がどれほど確保できるのかが気になりました。

 

 

服装について

有明西学園は前期課程・後期課程ともに標準服の着用を義務付ける方針。ただし、これには一部から反対の声もあるため、標準服もしくはそれに準ずる服装の着用となりそうです。今後、正式な決定が待たれます。

 

 

有明西学園の通学区域や入学するための条件

会場からの質問が多かったのが有明西学園の通学区域や入学するための条件についてです。ここで皆さんも気になるでしょうから、“学校選択制度”についてまとめてみます。

江東区には新1年生に限り、小学校・中学校の入学時に学校を選べる“学校選択制度”があり、有明西学園では以下の条件を満たす学校を選択することができます。

  • 前期課程は新1年生の足で徒歩30分以内・約2km以内に居住している者(後期課程は区内全域対象)
  • 自転車通学は禁止
  • 「学校選択希望票」を11月初旬までに提出する(※)
  • 希望者数が受け入れ可能者数を超えた場合、抽選で当選した者(12月中旬に実施)

※「学校選択希望票」は「江東区立小学校・義務教育学校前期課程ガイド2017」もしくは「江東区立中学校・義務教育学校後期課程ガイド2017」のなかに綴じ込んであります。まだ手元にない場合には各学校、江東区教育委員会に申し出て入手してください。

 

 

有明西学園が指定校になっている通学区域は以下の地区です。

 

有明西学園が指定校になっている通学区域
【前期課程】・・・有明1丁目・2丁目のゆりかもめ以西、有明3丁目・4丁目、青海1〜4丁目
【後期課程】・・・有明1丁目・2丁目のゆりかもめ以西、有明3丁目・4丁目、青海1〜4丁目、豊洲6丁目

 

有明西学園の場所

 

 

無抽選で入学できる「特例」あり

有明西学園に抽選なしで入学(もしくは転校)できる「特例」について、いくつか挙げて起きます。

  • 通学区域内への転居が確実な場合、証明できる書類を提出することで無抽選での入学が可能です。
  • 豊洲6丁目に居住している者であれば、有明西学園の前期課程(新1年生)に無抽選で入学が可能です(本来なら豊洲6丁目は後期課程からの入学が可能)。
  • 有明西学園に前期課程(新1年生)もしくは後期課程(新7年生)に2018年4月に入学することが決定し、その兄・姉が有明西学園に転校を希望する場合、無抽選で転校が可能。

 

 

豊洲6丁目からの通学路は注意

通学路の説明については、豊洲6丁目から有明西学園に通う場合の通学路は下り坂で自転車との接触可能性が心配なルートとトラックの多い豊洲市場前を通るルートの2つということで、ちょっと不安が感じられる場面も。ただ、ゆりかもめなど公共交通機関を使った登下校であれば安心に通えるかと思います。

 

このほか、「江東きっずクラブ有明西」についての説明がありました。年3,000円(A登録)、もしくは月額最大5,000円(B登録)で有明西学園内の教室を使った生徒の預かりが可能。おやつの有無や時間、定員の有無などの違いがありますが、共働きや片親の家庭にとっては嬉しい制度だと思いますので、チェックしてみてください。

ということで、10月18日の夜に行われた江東区立有明西学園の説明会で聞いてきた内容をまとめてみました。説明はちょっとわかりづらい点もあったため、次回の説明会が行われる際には教育委員会さんにより詳細に教えていただきたいと思います。

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